no motor,no life

F1のレギュレーション遷移(1990年以降)

bar そろそろモータースポーツの開幕時期。早いところでWSBKは2月末に開幕します。その後、同じ南半球のオーストラリア、アルバートパークでF1の開幕戦が開催されます。F1は昨年から日本でも有料放送となり、僕はダイジェストしか映像では見られていないので、コロコロ変わるレギュレーションが一体全体私が見始めた1990年からどうなってるのか急に気になったので調べて纏めてみました。


エンジンは排気量、気筒数ともに縮小傾向で、現在はV6 1.6Lシングルターボ+回生エネルギーです。一見、その辺を走ってる車っぽい排気量ですが、一番良くて1,000馬力は出ているとされています。V8 2.4L時代で700馬力程度ですから、現代のダウンフォース(空力)が無いとまともに走らないでしょう。

タイヤはグッドイヤーが懐かしいところですが、スリック→溝付→スリックとレギュレーションの変化があり、ついに2017年は昔のようなワイドタイヤに戻り、グリップ面積が増えます。この変更と空力面での変更もあり、2016年より4秒程度速くなるとされています。

ボディーワークは、表には書いたらキリがないので主要な事しか書いていませんが、他にも例えばXウィング、持ち上げノーズの登場、マンタノーズ、バージボードの登場、上方排気、ギザギザウィングフラップ、フロア(車の底面)の変化などなど、出てはパクられ、あるいは数戦で禁止になるなどすさまじい開発が行われています。
例えば、MotoGPで昨年まで装着されていたウィングの場合、F-1なら一回ケチをつけて合法とされたら翌戦には金のある7割のチームが装着しているレベルの開発スピードです(※)。
※MotoGPの場合はウィングの有用性も当初は疑問視されていたので、
ドカティ何やってんの草生える的な様子見があったかもしれません。

エアロダイナミクスといったら、技術よりはそれを生み出すデザイナー、ロリー・バーンとエイドリアン・ニューウェイでしょう。ドライバーズ/コンストラクターズチャンピオンマシンのほとんどのはこの2人の作品です。この場合のデザインは、レギュレーションを違法?ギリギリまで解釈し、見た目よりは空気の流れを整え、スピードと安定性、信頼性に繋げる専門的なデザインになります。外面だけではなくカウルの中、マシン底部も含まれます。
なお、ニューウェイはパソコンではなく、現在もまず鉛筆でデザインを起こすようです。

テクニカル面はアクティブサス搭載車の車の動き、特にFW14B(ニューウェイ作)のインパクトは大きかったです。毎年年末にフジテレビで放送されていたF1総集編で、ピットで機械的にうねうね動くFW14Bの足廻りの映像は今でも覚えています。そこだけVHSで録画して残してたような記憶が(笑)。アクティブサスは今でも禁忌的な扱いになっていますが、メルセデスが擬似アクティブサスっぽいものを装着して論争になっており、どうやら合法という事で落ち着きそうなため、2018年にアクティブサス(※)を解禁しろという声も各チーム上がっています。
※何が良いかというと、車の姿勢を機械的に維持できるので路面とマシン底部の
隙間を一定に保つ事ができ、車のエアロダイナミクスを設計通り100%近くで
発揮させられるからです。FW14Bは他車より1秒速いのは当たり前。圧倒的でした。
その反面、禁止前の1992年当時はマシンの限界が無くなったような乗り味のよう
で、合わせられた人(←マンセル)、駄目だった人(←相棒のパトレーゼ。
だけど年間2位。)とに分かれるようです。

続いて圧倒的というか、度肝を抜かされたのがバトンが乗ったブラウンGPのマシン。撤退したホンダが翌年用に作っていたマシンで、それをロス・ブラウン(←後述します)が開幕前テスト直前に確か運営チームごと1円1ポンドで買い取った(というか引き受けた)という前途多難なマシンでした。開幕前最後のテストでローンチ(初走行)できたんですが、いきなり他車より1.5秒程速くて結果に目を疑いました(笑)。その後のレースでも他が三味線引いてない事がわかり結果チャンピオンに。シーズン中にそのマシンに搭載されていた空力パーツ、マルチデュフューザーが注目され、次々と他チームも導入していきました。

そのブラウンGPの親玉ロス・ブラウンは、F1では主にベネトン、フェラーリ、メルセデスでテクニカル・ディレクター/デザイナー/作戦担当などを勤めた人物で、シューマッハフェラーリの中心人物でした。
ブラウン+ロリー・バーンの車は壊れなくてとにかく速いから、作戦の自由度が高くて臨機応変なレース運びができ、それを完璧以上にこなすシューマッハがかっこ良かったです。

お気づきかと思いますが、レギュレーションから人の話に変わっています。続けますw

それもあってシューマッハ一強時代となるのですが、玄人受けでも、個人的には1強に誰かが入れ替わり立ち代わり挑んで行くこの時代が一番面白かったです。そんな中、デビュー時の遅い車でも才能を発揮し、その他大勢の挑戦者から頭1つ抜け出したのがフェルナンド・アロンソ。アロンソがシューマッハを破った日の朝は、目覚めが悪くなるくらい憎らしくほんとに強かったw。
ちなみにアロンソ(ルノー時代)のボスは、シューマッハがベネトン時代のボスだったフラビオ・ブレアトーレ。
当時は虎の穴を抜けたタイガーマスクに刺客を送るミスターXみたいな感じで見てましたw。

ドライバーからちょっと目を離してチームスタッフ、チームマネージャー(部活のジャーマネじゃなくて監督)や開発競争にも焦点を当てるともっと楽しくなるのがモータースポーツだと思います。

2017年は誰が勝つのか?個人的には将来アクティブサスが解禁されて鬼グリップ(※)となったF1が見てみたいです。
※超速なゆえ、接触などでグリップが抜けたときの
クラッシュは心配の1つです。

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